テノチャの由来

テはお茶のTHÉ(フランス語表記)、チャはお茶のチャに由来します。アルファベットを使った表記はTHÉノCHAとしました。
意味は「お茶のお茶」。美味しいお茶を真面目に届ける意気込みからこの名としました。

一方、日本語の音の響きだとテノチャは「手の茶」。農園で手塩をかけて作られ、地元で愛飲されてきたお茶を皆さんの手に届ける、そんなイメージも含めました。

ロゴの団子3つは手の平を指の方から見た時の形です。人差し指、中指、薬指、まん丸に見えませんか?

テノチャの目指すもの~お茶流通の視点から~

テノチャは厳選したお茶を農家から直接購入し、みなさまが「手もとに届いて嬉しい!」と思ってくれるような形にして届けます。

近年では急須を持たない家庭も多く、お茶は茶葉から自分で淹れるというよりもペットボトルや紙パックのものをそのまま飲んだり、粉末茶を溶かして飲む人も増えてきているかと思います。コーヒー愛好家も多いですし、紅茶やハーブティーも質の良いものが手に入りやすくなりました。日本茶にはなかなか厳しい状況です。
そんな中、テノチャをなぜ始めたのか?
テノチャが独自に分析した話ではありますが以下説明させて下さい。(長くなるので時間がある時にご一読いただければ嬉しいです!)

●お茶の歴史
お茶は奈良時代には中国から日本にもたらされており、東大寺をはじめ多くの寺院に茶の基を植えたという記述があります。当時は薬用効果を期待して飲まれていたようで、関西では「大福茶(おおぶくちゃ)」という形で今に残っています。
鎌倉時代には抹茶法が開発され、お茶が日本の武士や上流階級に広まります。その後、安土桃山時代に千利休が茶の湯を大成し現代の茶道に引き継がれました。江戸時代には煎茶法が生まれ庶民にも喫茶が広まり、産地から江戸までお茶を運ぶ「御茶壷道中」は将軍の権威付けに240年続くこととなりました。
開国後の明治時代には欧米への輸出産品として日本茶の生産が進められ、一時は主要品目になりましたが、インド産紅茶に質と量で負け下火に。国内消費は増加し続けていたものの、戦争で昭和期に落ち込みました。
戦後は復興に合わせて高級飲料であったお茶の消費も増加しました。高度経済成長期と高級志向が相まって、輸出は思うように伸びない一方で国内消費は拡大し1975年に過去最高の生産量10万トン超えを記録しています。
しかしながら、1980年代にはコーヒーの需要が緑茶を追い越し、嗜好飲料の座はコーヒーに奪われました。さらに、1990年以降のペットボトル茶の人気により茶葉の消費量は最盛期の7-8割と減少しています。意外に思われるかもしれませんが、ペットボトル茶は煎茶の半分の茶葉しか使わないため総消費量は減少しているのです。

●お茶の流通
長い歴史を持つお茶は上流階級の飲み物として広まりました。産地から将軍に献上する茶流通の仕組みが備わっていることは他の農産品と一線を画します。
昔から茶の品質が産地(農地)によることが強く認識されており、茶流通は『茶商』とよばれる品質を見極める目を持つ専門集団が担ってきました。戦後には、茶商が農家から茶を仕入れ、顧客の好みに合わせて茶葉のブレンドや最終加工を行い茶問屋や小売店に卸すという仕組みが確立したようです。ここで言うお茶の小売店とは、皆さんの町にもきっとある、茶葉と急須を扱うお茶屋さんと乾物屋さんです。

茶農家と茶商のつなぎ役を担う「静岡茶市場」での様子(2024年5月3日 見学ツアー参加時に撮影)

緑色の帽子が茶農家(もしくは農協職員)、黄色が市場の職員、青色が茶商です。静岡茶市場では、茶商との価格交渉は茶農家の代わりに市場職員が行います。
お茶の品質は、茶葉の形・色・ツヤ・香りでほぼほぼ確認できるとのことで、実際に飲んで味を試すのは「最後の手段」とおっしゃってました。

価格の提示が行われるソロバン。静岡と並ぶお茶の一大産地である鹿児島では電光掲示板を使い価格はセリで行われているそうですが、静岡茶市場では昔からのソロバンが使われ相対交渉です。
ソロバンの下にある白い紙が、売り手、買い手、最終価格、買い付け量記載する「手合表」と言われるもの。

5月上旬は新茶の出始めで市場には朝早くから活気がありました。

ではみなさん、お茶(茶葉)をどこで購入していますか?
おそらくスーパーなどの食料品売り場で他の食品と一緒に買うことが多いのではないでしょうか?

テノチャで独自に取得したアンケートでは次の結果となりました。
<回答者78名。友人知人を中心にアンケートを行ったため母集団は都市部在住・会社員が多いという偏りあり>

回答者の8割が茶葉の購入場所としてスーパー等を上げており、他の商品とまとめて買う姿が一般的であることが想像できます。また、お茶屋で購入するケースもあると4割近くの人が答えてくれており、日本茶は家庭で飲まれなくなったと言われているもののまだまだ根付いていることが伺えます。もちろん、テノチャのアンケートへの回答者はそもそもお茶好きが多いという理由もあるでしょう。
テノチャとしてさらに嬉しい結果だったのは、産地にこだわって購入している様子も見えたことです。ひいきのお茶があったり、県産品市や旅行先で購入する場合も実に多いです。
お茶好きの皆さん、お茶は産地ごとに味が異なるという面白みを十分把握されているようです!

ところが一方、伝統的に産地と繋がっている身近にあるはずの「昔ながらのお茶屋」で購入すると答えた人はわずか9名でした。商業施設にあるお茶専門店での購入する場合もある人が21名いることを考えると非常に少ない値です。

なぜこのような差が出ているのでしょうか?
テノチャは、ライフスタイル変化つまり買い物のやり方の変化に茶の流通の仕組みが追いついていないから、と推察しています。

仕事が終わった夜か休みの日(会社員の場合は土日祝日)しか近所に買い物に行けないけど、お茶屋は閉まってる。スーパーに行った時についでに買うしかないよね。スーパーのお茶は種類が多すぎる上に美味しいかどうか分からないから値段で決めよう。美味しいお茶は、お出かけ先や旅行先で買いましょ。

これが、急須を持つお茶好きの人々の日本茶購入習慣ではないでしょうか。
美味しいお茶を最も知っている茶商が選び抜きブレンドし最終加工を行って作り上げたお茶が、非常に残念なことになかなか消費者に届いていないのです。

●茶農家の苦労
皆さんご存じの通り、スーパーは大量調達大量販売を基本としています。コスト削減と品質管理のしやすさから、卸業者を介さない農家からの直接調達も増えています。もちろん、日本の食文化に根付いた日本茶ですから産地にこだわった商品として販売するためであるのかもしれません。
とはいえ、スーパーの購買規模は小さな茶農家が太刀打ちできる相手先ではありません。茶商をそもそも通さないケースも多いでしょう。
さらには、ペットボトル茶を製造する飲料メーカーによる茶葉購入が増大しているという背景もあります。ペットボトルで飲む冷茶はごくごく飲むためのものであり、茶葉量は半分な上にさわやかさが主流なため、甘味やうま味といった「美味しいお茶」に求められる要素はそこまで重要視されません。大量に作れる茶葉が求められています。

いずれも、高品質のお茶を作り続けている小規模茶農家には厳しい現実です。

●テノチャの目指すもの
もちろん、こういった状況を踏まえ、茶農家や農協が独自で販売策を開拓するいわゆる六次化戦略に進める産地も増えてきています。
しかしながら、茶農家は気候天候により働き方を左右される生き物を扱う生産者です。消費者が多く住む都市部から離れていることも多く、流行に大きく左右される心理や動向を常々観察する暇はありません。(と、テノチャは思います)
そこで、私たちテノチャは、真面目に美味しいお茶をつくる農家の代わりとなって消費者目線の商品を届けることを目指します。
いわば、現代版の茶商です。

町のお茶屋さん/乾物屋さんになかなか入りずらいのは、店構えや商品パッケージが明らかに好みと合わないからということはありませんか?
美味しいお茶が飲みたいけど、お茶屋さんにどう説明して選んで貰えばいいのか分からない、ということありませんか?

テノチャは、みなさん目線で商品開発を行いもっと気軽に美味しいお茶を楽しんでもらうことを目指します。
私たちは知っています、お茶好きの皆さんに女性が多いことを(テノチャが見る限りにおいて茶商は全員男性でした)。忙しいからこそ美味しいもののためなら手間をかける人がいることを(これは性別問わず)。

まだあるんですよ、産地には美味しいお茶!!!!地元の人は知っている美味しいお茶が!
そんな良いお茶がなくなってしまう前に世に広めたい、そんな思いでテノチャを始めました。

テノチャと佐賀県嬉野茶の繋がり

嬉野茶は私達が子供のころから親しんできたお茶です。嬉野茶だけでなく、彼杵(そのぎ)茶や八女(やめ)茶も長崎ではよく飲まれています。
波佐見や有田、伊万里に唐津といった陶芸の産地も近いこともあってか、地元ではどこのお宅にお邪魔しても美味しいお茶を素敵な湯呑で飲ませてもらったことを覚えています。
日常的ではあるとはいえお茶は大人の飲み物でしたので、美味しいと感じれば感じるほど、一人前になったようで嬉しいものでした。

子供の時から一日に3-4杯はお茶を飲む私たちが自信をもってお勧めする嬉野茶、その中でも九代続く茶農家で無農薬有機栽培にも積極的に取り組まれている「永尾製茶工場」さんのお茶をお届けします。

日本茶ならではの、甘味うま味コクがありながらも、苦味とさわやかさで後味はスッキリ。毎日飲んで美味しいお茶です。
永尾製茶工場では、玉緑茶だけでなく、和紅茶とほうじ茶も丁寧に作られています。

永尾さんとのつながりは、テノチャ中の人の親の代から。

今から30年以上前に長崎の主婦たちが数人で立ち上げた「きびんな」という無農薬有機栽培の野菜・食品の店。デジタルという言葉も無い時代に主婦が始めた地方のお店ですが、なんと、注文予約制の配達付き!今でいうところのオイシックスの事業を、電話とFAXと紙帳簿と自家用車を使ってフィジカルにやっていました。
そんな食にこだわるパワフル女性陣が選んだお茶が「永尾さんちの嬉野茶」です。

きびんな立上げ人の娘という伝手を最大限生かし、この度、購入させて頂く運びとなりました。

これからラインナップに加えるお茶も、まずは私たちが飲んで「美味しい!」と顔がほころぶもの、皆さんにぜひ楽しんでもらいたいものを選び抜きます。(小声:雑に淹れても美味しいお茶を見つけます)

心身の健康は日々の生活から。少しでも皆さんの日常のお役に立てれば嬉しいです。

楽しみに待っていてください★

テノチャの中の人

代表 古川マリコ
五島列島生まれ長崎県育ち。テノチャ前はインフラ業界で開発と営業を担当。3泊以上の海外出張には嬉野産茶葉を必ず持参すること10数年。お茶の効能を身をもって知る。
幼馴染ノゾミ氏とCovid-19後に再会し、テノチャ立ち上げを決めた。農学修士(微生物)とMBA保有。
趣味はベランダガーデニング。お茶の次に好きな飲み物はビール、次点は冷えたココナッツ。

Brand Manager フジイノゾミ
生粋の長崎市内っ子。インテリア・雑貨業界でキャリアを積む。育児を優先して少し仕事のペースを落とした後、テノチャで再始動。
料理や裁縫、小物づくりなど何かを作るのが趣味。最近鉄オタになりました。
代表マリコとは同じ小学校、中学校、高校。生活スタイルも性格も似ていないのに上京後も気付けば二人同じ沿線に住んでいる。食べ物の好みは一緒!